全4巻各170ページ弱。
「眠り」というものを通じて、やさしく明日へ向けて背中を押してくれるヒューマンドラマ。
自分がこの世に存在している意味なんて無いんじゃないか……そんな思いを抱く人は、私を含め、少なくないのではと思います。つらい時には、朝日までもが自分を責めているような気にもなったりします。そんな人にとっての朝日をやさしいものに変えてくれるような「睡眠」を描いていて、それは決して現象としてのものではなく、気持ちのこもったあたたかい何か……はっきりと問題を解決するわけではなく、それでも自分の中から力が湧くための助けになったとわかる、言葉にするのが難しいのですがこれはそんな物語であったと思います。
明けない夜は無い、この言葉を希望寄りに受け止められる気持ちにさせてくれる「睡眠」の物語。
明日があると思うから人は眠る、言われてみれば確かにそうで、眠るということは未来を選択するということでもあるのかもしれないな、などと考えたり。
オムニバスに近い展開で、睡眠売買のお客としてさまざまなキャラクターが登場しますが、皆それぞれにつらさを抱えてそれでも自分なりに生きている、嫌味のないキャラクター達でとても好感が持てました……ヤバいのも居ましたけどまああれはあれで頑張ってはいるし……。
夢に出てくる女性などの睡眠売買アプリまわりの設定が若干自分の思考回路に合わないため星は4つですが、おなかにあてたカイロのような良作であると思います。