少女漫画のきみこ名義も含めてやけに電子化・無料試し読みされてるなあ、と思ったら、来年でデビュー五十周年なようです。半世紀も漫画家やってるのすごいなー! ということで小学生ぶりに『いのちの器』を読んだのですが、初期はバブル弾ける前後ということもあってとても封建主義。ナチュラルな男尊女卑。それと、妊婦の飲酒が公然と行われている。でもこれは時代的に上原先生の本に限ったことではないので構いませんし、絵の古さはそもそも時代が古いレディコミなのでしょうがない。寝取られた旦那の子を取り上げる産婦人科医というのはとてもドラマチックでいいと思う。そこからの復縁もまあいいとして、養女養子とりまくりの展開や、とにかく「他人の男を妊娠した女性を娶る男」が多すぎる。しかもとんでもなく多い。雅志の父親に至っては、「雅志を有吉家の養子にするために死ぬだけのキャラ」という感じで苦笑い。死ぬ伏線もなければ何故死んだのかもわからないという始末で「あらら……」となってしまった。なによりも一番驚いたのは、これをきっかけに最新刊あたりの無料試し読みを見たのですが、絵の劣化がすごい! もはや誰かわからないレベル……。とはいえもう七十を超えてらっしゃるのでしょうがないかなと思うと同時に物悲しい気分でした。