自己抑制のきく紳士の彼は、慎重すぎるくらいに慎重だが、その流れで、ヒロインが彼の中で大切な存在と判る場面は胸に来る場面。
一夫多妻の慣習と正反対の草食糸、ギンギンギラギラ皆無の、伝統より未来思考の合理主義者。
家族も、中東色よりも、人類普遍の家族愛でほんわかあったか一族。一個の人間である、というところを十分見せる。
それでいて、かの地特有の光景や自然を映して、砂嵐や水に対する価値観について特徴的に描写。リアリティと砂漠の幻想イメージのバランスがよい。
シークもののシークの顔色はこれが本当だと思う。
作品全体がシークのリアルな顔色に合わせて黒が比較的多目に差し込まれている。色調に黒が多くても全く暗くならず、むしろエキゾチズム描写に貢献、異文化空間でヒロインが生きるということが伝わった気がした。