出会いから短時間にいろいろ起こり、メイン二人の他に、彼のファン多数、ヒロインサマンサの会社関係、彼の従姉妹と二人の祖母、ストーカー二人、ホテルや警察の人、野次馬、マスコミ、買収の仲介人、それに、サマンサの父と母。
それぞれ居るだけではなくストーリー進行に結構強く関わり、主役を食いそうになっている。
沢山の出来事は大勢の登場人物を使う。その上で、ヒロインの設定は父親と少し距離感・バランスの是正の場が持たれる。また母親も相当食わせ者的存在ながら、本物らしい母親の予知?能力がストーリーを振り回す振り回す。超自然現象、強引な贈り物には媚薬成分入り香水とか思わせグッズなどなど強烈。
これら盛り込まれてもびくともしないストーリーなので、原先生の構成の才はすごいと思う。
しかし、肝心のヒロインの心の中、私にはわかったようなわからないような。一方彼ニックのほうが単純にヒロインを気に入っている。
これってたかだか2日3日の間?のこと、ですよねぇ、と、メインキャラ二人の心情は途中説明あるも、熟しは足りない感一杯。
祖母二人の容貌が、今や大企業会長の要職にあると見えず、ビジネスや契約の際、ふさわしい風格や雰囲気が足りない。実力者はニックであると言っても、またそういう設定と割りきっても、ここにもドラマを作るなら、存在感というかオーラを、作画上演出して欲しい。伏線は張ってあったが、家族関係者の各種の流れは過去のいきさつに関する含みがでているにしても、何処かツギハギ感あり。
原先生の絵の個性は構わない。私はどこかで先生のオリジナル作品に触れたことがあった(白泉社系を読んでおり)と思うのに、思い出せない。それほどに、個性としては強いわけではないだろう。ただ、ストーカー女と従姉妹、別人と判るが明確な描き分けとは言えないと思う。
ニックも、もう一枚華が欲しかった。セクシーシンボル的な役どころなのだから。
ボディーガードの職業、就いたばかりで、被警護体験で、そのプロ意識だけで適職感などないように思う。それに、ニューオリンズへの愛着感。シカゴのピザをそこでも展開しているとしても、デリバリーで冷めなかったのか?
ただ、いつか私が訪れたいと思っているニューオリンズの町並みの感じが、出ていた。