ペネロープは急いでいた。両親亡きあと育ててくれた叔父ローレンに報いるための一大決心、初対面のステファノへの求婚だ。ローレンの病気を知られる前に、彼を傷つけずに引退させるために自らの結婚を犠牲にしてでも 彼の名誉と会社を守る彼女の献身には感動する。出来る女設定かと思いきや、契約結婚と割り切っていたステファノに恋してしまう少女のような可憐さや初心さが書かれていて好感度も抜群だ。また、コーネルに陥れられたステファノを信じ、過去のローレンの助言もあってステファノを第一候補としているところもローレンとの信頼関係という背景が伺えてとても良い運びとなっている。社交の場でステファノを擁護したことでペネロープの申し出の信憑性を裏付け、貸しも作るという少々やりすぎな場面もあるが、これでステファノを動かすことに成功していくのにはその先の物語の期待感が増幅した。詐欺事件の重々しさはアッサリとしているが、作画の中でステファノの孤独や苦悩は十分に伝わってくる。二人の婚約の信憑性を高めるために画策している事象も面白くて甘々感バッチリで、お互いの愛情も、ジレンマも旨く散りばめられていてトキメキも十分で楽しめました。