このレビューはネタバレを含みます▼
後藤先生のホラーかぁ、一体、どんなテイストで描かれるのかしら、と好奇心から手にしてみたら、そこにいたのは心優しい大学生、基己と学友たち。
出てくるお化けの描写も、悪霊の描き方も、いかにも怖がらせようとしていない。
登場人物も、後藤先生の作品らしく、人として誠実で、憎めなくて可愛らしい。
基己を悪霊から助けようとするイタリア人留学生マウロと基己の距離が段々近くなっていくのも微笑ましい…
と、後藤先生から「ほーら、ぜ~んぜん怖くないよ~。こっちにおいで~」と手招きされているような感覚の読み心地。
これ、どこがホラーなんだろ、と思っていたら
最後の最後で「ズポッ」と、落とし穴に墜ちたような感覚を覚えたんだわ…
さすが、どの作品を読んでも、読み手がそのときどんな感情になるかを考えながら作品を作るのがお上手な後藤先生…
それから、読後、オシャレだなぁ、と思いつつ気になっていたタイトルの意味を知って、思わず息をのんだ。
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↓ ネタバレなしで読むのがおススメなので、未読の方はご注意!
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【以下、ネタバレ】
この「Ragnatela(ランニャテーラ)」は、イタリア語で「蜘蛛の巣」を意味する言葉だそうで
ということは、このストーリー全体が、彼が張り巡らせた蜘蛛の糸…罠ともいう…の中で起きた出来事ってこと…?
愛する人を自分のモノにしたいがために、って…
基己は、その蜘蛛の糸にからめとられてしまいそうだけれど、もしも真実を知ったらどうなるの…?
と、タイトルの意味を知って二度読みすると、ホラー感が凄くて…
しかし、怖いのは、基己への思いは本物ってとこなんだよね。
この作品、作中のチビ絵も可愛くって、2人を応援したくなる気持ちが高まったところで、さーっと青ざめる怖さがある。
そして、最後にタイトルが伏線だったことを知って、後藤先生の仕掛けた罠にかかった虫の気持ちになるところまで含めて満足。
そうか、好きな相手が仕掛けた罠なら、捕まってしまっても幸せなのかも。
短編なのに、こんなに色々考えてしまうなんて。さすが後藤先生✨
続編、希望です👻