いい女に変身して相手を見返してやる、という、いかにも女心そのままの筋立て。
気分はいいが、復讐心そこだけで展開が終始するのはどうもお手軽な印象で、ハーレクインの価格設定につきまとう割高感へのわだかまりが、こういうとき募っていく。そこそこ絵も話も悪くないけれど、どこか子どもじみたエピソード幾つかも解り易過ぎて、これでいきなり安易なハピエンだなんて、酔えない。
蛇足ながら、自分自身にも女子トイレにまで入って追って来た後輩に口説かれた経験はあるけれど、その経験上、そういう公共性の高い場に施錠というのはあり得ないと思う。大勢の人が使用する場に敢えて入って迄、というリスクを冒しているのだから、第三者にあの二人はなんだ?、と思われる事にもう既に踏み込んでおり、鍵は、その強引さ描写以上の行為、別物の領域なので、不適切なエピソードに感じた。