舞台は九十九河村。
ここは実在する奈良県の村「十津川村」です。
作者様のお知り合いが十津川村に移住されたことから始まった作品だそうです。
実際のプロジェクトを通して、主人公の縣や村の再生を綴る作品になるのではないかと期待。
笑平先生の描く人物たちがとても好きで追いかけていますが、本作品もとてもイイ。
村役場のひと、村の老人たち、都会から来た人。
どこにでもいる人でよく目にする人たちで、日常にいる人々なのに、はたと目を止めると目の動きしぐさひとつとっても同じ人なんて一人もいないそれぞれの個性が光るという事を改めて思い起こさせられます。
私は生まれてからずうっと都会のど真ん中で暮らしています。
砂遊びも嫌い、日光湿疹が出るので太陽から隠れ、鍋は取り箸がないと手を付けられないという子供時代を過ごしました。
ギュッと体を丸め敏感で臆病な子どもでしたので、田舎暮らしの祖母や従妹たちと馴染めずますます殻に籠ったものでした。
そのうち色々なことを経験しながら大人になりましたので随分と棘も取れ丸々と太っ...図太...大らかになりました。
作中の縣がトイレにこだわったり、静かな夜に怯えたり、ポツンと孤独に涙したり、その心情がセリフのないコマでじんわりと伝わってきてある日の自分と重なり涙がこぼれました。
シゲばあさんがフキ味噌を持ってきてくれた時には苦手だった田舎の祖母が作ってくれた茄子のお味噌汁の匂いを思い出しました。
昔の自分を引っ張り出しながら縣が少しずつ前を向いて人々や自然と寄り添いながら立ち上がる様をこれからも見つめていきたい。
そんな風に思える作品でした。
2巻はいつ頃発売になるのか。
楽しみにして待ちます。