声楽ものがテーマなのは自身が専門職のため嬉しかった反面、初心者でも間違えない個々の内容にとても腹がたちました。『ノルマ』の「コスタ・ディーヴァ」!?(掲載誌で誤植かと思ったらその後も出てきた)、『マクベス』の「野望に満ちて」!?(超大胆意訳にしてもそんな邦題には絶対ならない)、『薔薇の騎士』のカンカンと元帥婦人をカウンターテノールが歌う(そんな慣習は全くなく、カウンターテノールのか細い頭声発声の声量では分厚いオーケストラ伴奏を突き破れず、物理的に無理。第一声種の面でもリリコ~リリコスピントの声種の元帥夫人にカウンターテノールをあてる…無理がありすぎて違和感満載。荒唐無稽すぎ。)、「モーツァルトなのにポルタメントかかってる!ダメなのに!」(ハァ?外国の各有名出版社の譜面自体に指示がたくさん印刷されていますし、そんな慣習もありません)。漫画家さんは、様々な専門職やお仕事系のお話は入念に企画なさっていると思っていました。本作品は大御所漫画家の超手抜き漫画です。未知の文化・言語に接するときは「事前調査で調べられる事はしっかり調べ、それについて最大限理解するよう努めよう」と敬意を持って取りかかるのがマナーではないのでしょうか。