悪くはないけれど、印象に残って忘れないような漫画かと言われるとそうでもない。とにかく重い話だけれど、3話完結なのでさらっと読める。
話が短いせいか、引き込まれる前に展開が進んでいって、なんだかよく分からないうちに終わってしまった印象です…。
重い話が読みたい気分の時に読めばぐっとくるかもしれないけど、何も知らずにいきなり読むと「暗っ!」とびっくりするかもしれないです。
主人公が暗闇の、人生のどん底にいるところから始まり、幼い頃の初恋の男の子と再会して救われるまでのお話です。
幼い恋は両親の不仲で引き裂かれ、純粋な心と体は教師という立場でありながら汚れている大人に汚され、もう堕ちるところまで堕ちていないと気が狂いそうな日常を送っていた主人公。彼女がどうしてここまで不幸な境遇にならなければならなかったのかと不思議で、悲しいお話でした。教師は未成年への暴行でちゃんと訴えるべきです…。きっと、できなかったんだろうな…。
そんな彼女を初恋の彼がずっと想い続けてくれていて、探しだして救ってくれたので良いお話だったとは思えたのですが、現実味はなかったかな。
小学生ならともかく、幼稚園の頃少しの間仲良くしてただけの女の子のことを愛する人と決めて高校生になってもずっと探してくれている男の子なんて、現実にいるでしょうか。
いたら素敵だとは思うけれど、個人的には幼稚園の頃のことなんて全然覚えてないし、幼稚園の想い出=運命の恋みたいなことがありえるのかな?と、不思議に思ってしまいました。
それだけお互いにとって印象深い出会いで、大切な存在だったなら忘れない人もいるのかなぁ…。
なんというか、ぼんやりと良い話だったねとは思うけれど、共感できる部分は私にはなかったので、すぐに忘れてしまう程度のストーリーだと思いました。
もう一つ収録されていた読み切りの「甘い涙」のほうが共感はしやすく、癒されて良かったです。
彼氏の心変わりで失恋した女の子が、その事で涙していたのをキッカケに出会った優しい男性に新たな恋をするストーリーです。
ストーリー以外の部分では、絵が綺麗でコマも読みやすくて良かったです。