最初読んだイメージから段々と私の中でのこの作品のイメージが変わっていきました。
というのも、残念な意味で。元々ギャグ調なのは分かっていましたが、最後まで「それでいいの?これで解決なの?」と思ってしまうような、ご都合主義で物語が展開していったように思います。
作者に「めでたしめでたし」と言われると、そんな気がしてくる…的な、なんとも言えない読後感の漫画でした。
まぁ、元々こういう作風だったのに対して私が期待しすぎただけなのだと思います。そんなわけで私には合わなかった。
作者さんが最初はシリアス予定だったのをギャグにしたと書かれているあとがきがありました。
私はシリアスの方が良かったかもしれません。
せめて後半はシリアスめにするとか、起承転結の結へ向けて空気を変える等の工夫もほしかったです。
後半は特に、高仁さまがデフォルメで描かれるギャグが多く、"住む世界の違う人との恋"なんてドキドキ展開とは遠ざかってしまい、完全なるギャグ漫画にしか見えず残念で仕方なかったです。
私の中でのこの作品のピークは、心も体も結ばれるまでの2巻目まででしょうか。
それまではまだ、高仁さまとどうなるのだろうというドキドキ感や、彼もデフォルメでは描かれていなかったので等身大の男性の魅力を感じてドキドキすることができていました。
といっても、両想いになってくっつくのも、心も体も結ばれるのも予想外に早くて拍子抜けでしたが。
女だとバレるのも一瞬でしたし…。
こういう作品には、バレそうになるドキドキ感や、なかなか結ばれないもどかしさみたいなものを私は求めてしまうので、求めていたものととことん違いました。
その後はギャグノリで、何でもありでイチャイチャしてばかりで彼らへの興味は薄れるばかり。
兄が登場した時には、このマンネリ化しつつある物語を盛り上げてくれるのかなと期待しましたが、ただの最低な奴で、そのくせ犯罪者扱いもされず、主人公にはとくに絡むこともなく終了しました。
主人公に絡まず、友達とのエロシーンは有りって。お前、なんだったの……とどうしても思ってしまいます。友人は最初可哀想だと思いましたが、特定の人物に個人的な勝手な恨みを抱いて歪んでる部分はどうやら似ていたので、お似合いの病みカップルだなと思いました。
結局後継者問題もあやふやなまま、2章でも作りたかったのかなって終わり方でした。残念。