竹家先生作との対比をできて、面白いです。
あちらがモバイル効果と色彩、時折出る時代背景に即した言葉で優れた演出を見せるならば、こちらは小見世ならではの確執や、女郎達家族の過去と現在に起きた緊張を解すようなコミカルさが合間に入る演出に優れているといえましょう。
壮絶な人生を匂わせる何ともいえない艶と想いを抑えた色気は、あちらが好みです。話を端折らず丁寧に展開させる物語は、こちらが好みです。
ただ、廓言葉も江戸弁も蔑ろにされている点が、個人的なマイナスポイント。多くの方にはこちらの作品は読みやすく、違和感を持たないでしょうけど。プチ江戸マニアとして興醒めのシーンが散見されました。