こじれて、怒りを吐いて、家を出て、喧嘩をしてもホラ大丈夫と言えないかも、というような状況になる。
でも、修復するのだろうという予想の下にいくらハデな破局もどきをしたところで、どうせ収まると覚めてしまう。
そんな目でストーリーを味わおうとしても、心の何処かで、犬も喰わないものを付き合っただけ、との感覚が拭えない。
自立した男女のプロポーズ大作戦は、小さなスケールで片付けられないように、ハリウッドやら有名弁護士、往年の有名女優に映画のプロモーションと、身辺を思い切り賑わしくすることで、平凡に陥るのを設定面の肉付けで誤魔化された気がしてしまう。
骨格は互いにそろそろ結婚を、との思いを互いがどう擦り合わせて漕ぎ着けるか、なだけ。
華やかさや、派手でいい暮らしの描写は感じがよく出ている。彼の母親も俳優業を手放さなかったというのもよく出ている。
パーティシーン、リムジンシーンなどもなんだか雰囲気が伝わるようだ。
二人それぞれの心情の描写も、拗れて手のつけられない丁々発止も不自然じゃない。
ただただ、この作品、舞台装置と華やかな環境設定で頑張った、としか言い様のない、ベースが痴話喧嘩に過ぎない単純ストーリー。
3.5と思って欲しい。