このレビューはネタバレを含みます▼
何年も前の事。ある時何かのマンガ評に、この作品が取り上げられていた。どなたが書かれたのか、ウェブだか紙面だったかも、寄る年波で忘却。しかし、この様な言葉(うろ覚えスマソ)を読み、小生はいたく共感した。
「みんなぼのぼのに現を抜かしていたから知らないだろう。いがらしみきおは元々こういう毒のある作風なんだ。デビュー作から知っている私は、こういうひねくれた漫画を待っていた。特に老人ホームの中なんて、みんなが避けたがるテーマだ。みんなが目を伏せるものを描かせたらいがらしみきおは水を得た魚なのだ。とても喜ばしい。やりたい放題やってくれ!」
左様、老人が清らかで神聖だという押付けなどは、現実逃避に他ならない。この作品の様に、殴る老人やセクハラする老人がいて当たり前だ。
ひねくれた中にリアルを描く、いがらしみきおはデビュー作からそういう特技を持つ天才だと思う。小生にはとても真似出来ない。
続きの第二巻が楽しみだ。