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中篇2作入り。
古き良き、外国が舞台の少女漫画。そしてハッピーじゃない。それが良い。
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・表題作 双子の少女、互いへの苛立ちと恋の鞘当てとその崩壊。双子らしい葛藤が良かったです。同じく双子として生まれた祖父の話が物語の奥行きを増していて、そちらもまた良し。
・『緋色のマドモアゼル』お嬢様の恋物語、ちょっとサスペンス。裕福な家に生まれた、美しく高慢な主人公……でもかわいいところもあって、キャラクターとしてはけっこう好きです。幸せになってほしいな。
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どちらの主人公も、決して「いい子」ではありません。
けど、この作者さん、匙加減が好みなんですよね。「いい子」ではないけれど「悪い子」でもない、誰もが持っている臆病さだったり傲慢さだったりやさしさだったりが上手い具合にミックスされていて、身につまされる部分があったりする。人に寄りかかるような「嫌な子」ではなくて、自分で自分なりに行動しているのも、私の趣味に合う。
……なので、どちらの話も、お相手の男性キャラに対して「こんにゃろう……」という気持ちが抑えられません。あいつら、なかなか非道ですわ。