小さい頃に一度目に入った作品でしたが、当時の僕にはあんまりにも難しく、プーシキンとナターリアとダンテスとの間の複雑さが分からないままで読み終えました。
去年もう一回読み始めてみましたら、読むんじゃなかったと思ったりします。
若くて美しいナターリアに惹かれたプーシキンは、終期までもナターリアの不貞を責めず、ずっとナターリアには幸せになってほしいと願っています。
世間知らずでいつも過保護されているナターリアは、自分が主人のプーシキン以外の人に恋してると勘違いし、
プーシキンの終期になったらやっと自分がどれだけプーシキンのことが愛してると気づきました。
こんなに近くにいるのに……二人の不器用さのせいで、愛がちゃんとお互いに伝わらず、すれ違います。
僕は読み終わった時、ただただ涙を流していました。
どうしてこういう胸苦しい漫画を読んだと……後悔はしてないが自分の中では何かが変わった気がしました。
先生の描いているプーシキン、ナターリアとダンテスはすべて生き生きしていて、仕草も感情も美しいです。
少し絵柄が古く感じる方はいらっしゃるかもしれませんが、デッサン力があって、センスのある絵ですので、読みやすかったです。
コマ割りもストーリーのペースも上手く出来ていて、思わず入り込んじゃう作品です。
ただ、詩が好きじゃない方にはオススメできません。