二人の人間、ヒロインの従姉と彼の家の家政婦さんとが、やってることは人間臭いけれど、キャラが見えにくい。脇役だからいいけれど、他にはメインキャラ二人以外ストーリーに噛んでこないのだから、敵役であれ、味方となるのであれ、登場のさせ方にもっと演出がかったところがあってもよかった気がする。
結局好きなんでしょう?という流れしかないのに、主役二人がもったいつけているだけ。
トラウマが病を呼び込んだことに対するその後の経過については、読者は置いてきぼり。
破談になって、独力で頑張った、なら、却って良かったのではないのか? 会社の再建を縁談任せも婚約解消で資金のアテがなくなるのも、企業活動としては危なっかしい。
なにより、ヒロインの受けた濡れ衣が、結局ささやかな名誉回復でうちわの納得だけで済まされてしまって。彼は、もうそんなことはどうでもよくなったような頃に、ヒロインの心の重荷の軽減のためにやっと耳を傾けるなんとも手遅れ過ぎるタイミング。
表情変化ももう少し欲しかった。