200ページ。
4作入り。
表紙イラストでもある表題作は巻末に入っており、前後編。
子供に怖がられる主人公の青年と、その父親で営む町医者が舞台。薬を盗みにきた二人の子供、そこにはふさふさの尻尾と耳が。素敵なおとぎばなしで、金魚が夏の熱を吸うっていうのがたまらない。医者であることの真摯な思い、大切なひとの為にがんばる子供の心細さと懸命さ、誰しもが持っているささやかな力の魔法。とてもあたたかいです。星5つ。
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・『獅子座、蟹座』(前後編)近未来の地下都市が舞台。アンドロイドを拾った少年、成長した少年とアンドロイドの少しすれ違う気持ち。流れ星への願いごとって良いよね。星4つ。
・『私立黎明付属中第二演劇部』学園祭で見た人魚役に憧れて同じ中学に進んだ友達二人。しかしその人魚役の正体は……?ちょっとにぎやかな、でも作者さんらしい繊細さのある、気弱な少年が少しがんばる話。
・『りんごちゃん』『りんごちゃん2』なかよしの女の子(中学生?)二人の、ささやかな、なんてことない、とても大切な心のつながり。女子二人も出てくる小物もかわいい。星4つ。