ハードな内戦下のよその国で九死に一生を得たヒロイン。彼女は某国プリンセス。
特殊部隊で死と隣り合わせに過ごして活躍を続けていた彼は、某国プリンス。
二人の、かの地での素性を互いに知らず、再会しての恋。束の間と思えばこその苦悩と情熱。
設定は素敵だし、知らずに恋に落ちるまでの二人もいいし。そして、別の人と結婚が定められていながら会いたい気持ちを、共に抑えられないのがとても良い。
ある意味似た者同士な所があるわけだ。
しかしである。互いに王家の未来が肩に掛かっていながら、身を危険にさらす行動は許されるはずはないものだ。そこを百歩譲っても、あっさりとした結末に、こっちは肩透かしを受けた気分。
苦悩をもっとたっぷり描写するとかして、結末はもっと劇的な興奮が欲しかった。