シスコンで過保護、過干渉のヒーローデイモンと恋多きポリーの父親の両極の男性に振り回されるヒロインポリー。娘ポリーの自立心を養うためという名目上の子育ては、放任ではなく放置、いわばネグレクトだった。そんな父が次に選んだ女性は、事もあろうに娘の親友でしかもデイモンの妹アリアンナだった。このことが物語を複雑怪奇にしている。どう考えてもポリーの父親の魅力が伝わらない。人それぞれ好みは違うのは承知だが、アリアンナは、ポリーがどんな暮らしをしていたか、父親との関係がどんなものだったか知っているという土壌があっての関係進展に 私としてはドン引き。あり得ないと思うのだ。読み進めるとポリー側の目線になっていく その根拠は、「自制心を持ってー、」の言葉がきっかけ。ここを中心点として(他のHQとは違って)これ以上彼を愛してはダメ という気持ちが的確に思えたから。☆+1の根拠。双方の偏った考え方に歩み寄りが見えたとき その解消の先の展望に期待した時 なにも無くハピエンには呆気にとられた。表題は悪魔(デーモン)=デイモンであることを予想していたが(残念)、あとがきに表題の悪魔との因果関係についてが触れてあったが、このくだりは作中採用されるべきだったと思う。冒頭でポリーが買収した彼を悪魔と揶揄しただけで終わってしまうという残念さが少しは払拭できただろうに。