ペーパーで読んだ者です。奮闘するヒロインへの応援ラブストーリー。臆せず目の前の課題に取り組み、彼の心も熱意で溶かす。
ひき籠り気味の城主様がヒロインのために表に出てくるのは良かったのですが、突然出てきていいのか、とか、ハーブそこだけに生える、ということへのどうしても作品のなかで信じこませてもらえなかったところが少し引っ掛かった箇所です。メルヘンにしてはキッチンでハーブ入りメニュー作ったりレストラン経営の行き詰まりに頭を抱えたりで、生活感。
一生懸命なのが好感。
時代感覚、しっくりしないところもあります。レストランがハーブ頼みのメニューに命運かかるのが理解しにくい。バジルひとつだけにそこまで?
絵柄も、見た目年齢が判りにくくて少し子どもにも見えそうなときがあるため、内容と離れた印象もある。
人を遠ざけていた「怪物」王子が、ヒロインの危機を救済に来る。
物語の殆どがヒロインの積極性と行動力で主導権を握って進行するが、最後は王子が決める。王子のその好ましい変化はプロポーズの自信ももたらした。
ひざまずくクラシックなスタイルではなくて、衆人環視の中で、堂々と。そこまで彼は変われたのだった。