徹底的に傷つけられた高校生の頃に好きだった人との再会。冷静を装って他人のように接する美山と、わかっていながらすべて忘れたかのような顔をして近づいていく仁科。この仁科が「嵐のあと」でリアリストな割り切りっぷりを見せていた美山くんのあの性格を作った原因なんですね。仁科はメガネです。スーツです。まるで復讐劇のように知らないふりを続けたあとに暴く、冷たい目をした美山にドキドキしました。
切なすぎる高校生の頃の思い出は胸が痛い…でも仁科が怖がったこともよくわかる気がします。大人になって、身勝手ながらも苦しむ仁科のモノローグがまた切なくて悲しい。
それにしても、見せ方がドラマチックです!!感情を押し殺した美山の顔、口づけられた指、逃げられないようにかけたシャワー、そして何より好きなのが最後の最後のHシーン!あの受攻を嫌う方もいるでしょうが、私にはごく自然で拍手喝采ものでした。
なんて素敵なモノローグだろう、と、何度も読み返しています。欲を言えば、すっかり信じてベタベタになった幸せそうな美山がもうちょっと見たかったなぁ。でもそこで終わってるのもいいのかも!