0歳から小刻みに21歳までの真壁俊サイドの、それこそ「事情」。このタイトル、なかなか云い得ていてよくこの言葉を持ってきて付けたな、と思えるし、寡黙な真壁俊が実は心の中では意外に言葉数が多いのが面白い。
いわゆる「男らしさ」、という、女子が伝統的に求めたものは、この作品では幅を利かせてはいない。そういう期待値を満足させる話ではない。迷うし決断先延ばしするし考えすぎて言葉が詰まるしで、人が思っている外側から見られている真壁俊が、内面ではそういう方向から行動した背景からでもなかったりする。それでいて彼の考え方の中にあるまっすぐさや、だらしないわけではないところなどが、中を見せてもらってもちゃんと恥ずかしくない人柄です、と見せられた感じ。
そしてキャラがみんなかわいい。神谷玉三郎さんさえも愛すべき・・・‼
神谷父娘、可笑しいんだけれども、なんだか同情する。