読み始めてすぐに複雑な系譜と人間関係に何度もページを戻して確認しながら読むことになっていました。ものすごく速い展開な部分とゆっくりな部分とが極端で、混乱してきます。登場人物の年齢が書かれていないこと。ルーシーとショーンの関係が書かれていないこと。祖父の身上が書かれていないこと。ショーンが隠し子となっている事。祖父と祖母は再婚であること。ストーリーを納得させる為の「要」ともいえる部分をスルーしてしまっていることが残念です。この物語でフィリッパが結婚を決めた一番の理由は父親の横領であるがそれを「知らなかったことも罪だ」と娘でありそのお金を自分も使っていたことへの贖罪であることが分かっているだけ。複雑な感じを醸し出しているのに宙ぶらりんにしている感は否めません。表題がそれなだけに仕方ないことなのでしょうか。残念。