安いVシネ的なペラペラの内容です。
一応、主人公の動機や背景、構図などはしっかり作っているのですが、逆にそこまでできる主人公が、なぜ、その境遇だったという人間的な部分の掘り下げが一切ありません。
たとえば「軍鶏」の冒頭だと凶行に及ぶ前後の心の動きが描かれているので、追い詰められ生き延びるために選択した道の延長として納得して読めますが、この作品では、その辺が安易な記号付けで終わらせているので、復讐という体ではあっても、やってることは、ただのシリアルキラーのマイルド版。大前提がそんななので、回を重ねて手を変え品を変え様々なパターンを並べても、内容のないVシネマの謎シリーズのように中身が1ミリも厚くなりません。
まあ、マンガだなーって感じ。