このレビューはネタバレを含みます▼
130ページ。
近未来、臓器移植用クローンの子供達の話。オムニバス。
あとがきに「難しいことはなるべくバッサリ切り捨てた」とある通り、なんとなくな雰囲気でそれぞれの話が進みます。
この「切り捨て」ですが、難しいことをとことん考えてから物語に不要な枝を切り払う場合と、考えること自体を放棄している場合があると思います。この作品の場合は後者であると感じました。
SFは難しいことを考えた下地がある方が好みなので、合いませんでした。特に、思わせぶりに出てくる「かつて施設のクローンだった」キャラクターが居るのが、どういうシステムでドナー側から施設職員側になるのかが気になって気になって。
最終話のラストは、クローンにも引き継がれた「お兄ちゃん」としての頑張りが良かったです。