珍しく、ハピエンと言えない物語でした。けれど、展開上ムリムリ「愛している」と言わせる物語に比べれば自然体であったともいえます。可愛くは思っていた、愛らしく純粋培養されているヒロインガブリエラに女性としての思慕は無いが、という風に読めた。女性として愛したのはカティアだけ、裏切られはしたが彼女以上の女性には巡り会えていないヒーローラウルの嘘偽りない態度は 好感度が高い。残念だけれど、よくこの物語をHQとして書いたものだとため息が出る(異色、貶めているわけではありません)古城で見た女性の影は、カティアかと思わせる作りをしているところが ラウルの本心を伝える伏線であり、亡霊かどうか 真相を有耶無耶にしているところにリアリティーがあって面白かった。けれど、ガブリエラのキャラクターには特別感が無い。お姫様 扱いされていたそのままで、ただそこに居るだけの癒し系女性で、罪の意識に囚われているラウルにとっては、好都合だったのでしょうか?!