妹までもイタリア男が相手。
お話なのだからそこは、暗黒街と表の社会が自由接続されているが、現実は、その世界の大物の娘息子は何をするにも、国際社会には人物情報が出回っており、銀行とか金融とかにとって、接触が最も厳格にマークされるのであり得ないこと。犯罪とテロに関わるビジネスと一切取引しないよう、世界中から締め出そうと、今やどこの国も官民挙げて組織的になっている。
HQなのだと思ってその辺は目をつぶるとしても、嫌って完全に縁を切っているなら兎も角も、ストーリーは親子の繋がりを、母救出を名目にして割と残しており、しかも兄弟姉妹の結束は高く、互いのことを良く判っている。
なのに母が不幸と思う根拠は果たして一体なんだったのだろう、と、疑問。
ヒロイン、イジーのキャラからすると、兄達が彼のことを殴るのをやめさせようとしてついた嘘に、当たり前に兄達が納得して引き下がる、というのもなんだか別人で疑問。
マフィアのボスをしてるお父さんが、面接前に明らか娘を焚き付けたと判る場面で白けて、アトラクションの出口に先に一回出された気分になった。
「管理人」が庭の業者未決定のうちなのにそんなに遊んでいいのか、管理しなくてはいけないお屋敷の事の管理をそんなに放置できる休みが取れるのか、ヒロインがそこ気にしないのか、など、終始謎は晴れない。
リゾート・バカンスまで付き合ったら、初めはわからなかったとしても、今の生活レベルは、貧しい幼少期という、底に近いレベルから、相当ハイレベルな成功者へ大きなジャンプがあったことくらい、振舞いや自信などから感じ取れないのか。そこまで世間知らずなのか?
姉妹作品との整合性のためにいろいろ橋渡し的なシーンが用意されているが、バーのところ、筋運びとしては絶妙な登場タイミングでも、これも、イジーに対するこれ迄の兄弟姉妹接し方、気づき、重大な顔合わせと予測できる場には、自分も行くと宣言してる妹一人で駆けつけさせるだろうか?
イジーの両親サイドのあれこれも、物語の細工が多過ぎて鼻についた。
ヒロインのキャラ故の危なっかしさはよく出ており、植物に夢中だったり、男性を前に舞い上がるのもやくわかる。彼の島へ行く流れもロマンチックなのだが、かえすがえすもいろいろ引っ掛かり過ぎた。