短編ですが、赤根晴先生の作品なので、絵のクオリティもとても高いし話も綺麗にまとまっています。文化祭で王子と姫の芝居をやることになり、稽古で姫役の代理をすることになって、王子役との距離が近づいていく…という王道設定ですが、特筆すべきは王子ことオージくんのキャラクター。BL漫画で王子キャラというと、ナルシストだとかスーパー攻め様とか、そういうイメージが思い浮かびますが、オージはそのどれにも当てはまらない感じというか、ナルシストな所もあるし優男でもあるけどなんか違うというか、それだけじゃないというか…ナチュラルボーン王子であり、メルヘン脳かと思いきや、自分が王子らしく存在するための自己演出(プロデュース)力が凄いというか、能天気に見えてただのアホじゃないというか、なんというか…私の拙い語彙ではうまく言い表せませんが、とにかく強烈で良いキャラしてます。そんなオージ相手に振り回されて赤面したりぐったりしている主人公・浅川くんが可愛いです。斬新な言葉攻めをされて、主人公が死ぬほど照れている場面は爆笑しながら萌えました。この作品が気に入った方は、続編の「生贄姫は二度啼く」もオージのキャラが立っていて面白いのでオススメです。