普通に面白かったです。普通に。イスマイル様の隠している過去が気になったり、男のフリをしてたり(一時的に)記憶がなかったりするレダリアが、実は仇の立場にあるイスマイル様とどんな関係になっていき、最後はどう終わるのだろうか…そんな気になる見処がいっぱいの作品だったので、最後までいっきに読んでしまいました。
読んで良かったかと聞かれると、よかったと思います。普通に面白かったので。
しかし、個人的になんかパッとしない気持ちなんですよね…。ほんとに、面白いけれど「普通」だと感じたのです。
女海賊であり、お姫様であり、イスマイル様の小姓にもなる、設定盛りだくさんな主人公ではあるけれど、そんなに設定必要だったか?と後から思えてしまうほど、印象にも残らないというか。
女海賊だったからこそ、ドレットという魅力的なキャラが出てきたわけですが、彼は本当に最後まで見守ってくれるだけで、恋愛的な見せ場もなく可哀想でした…。彼の気持ちになると、悲しい。そんな彼だから読んでいて好感も持てるのですが、少女漫画としてはせっかくの素敵キャラを活かせてなかったように思いました。あまりに損な役回りすぎる…。
お姫様設定は、双子の兄の話にも関わってくるし大事でしたが、その兄はほぼレダリアと関わらず、レダリアの知らぬ所で結果的に双子な事を利用していつのまにやら大恋愛してるっていうw
幸せなキャラが増えるのは良いことだし読んでて癒されましたが、冷静に考えると、何なんだお前…と思えてしまいました。
とりあえず、レダとイスマイル様がメインの物語なんですよね。だからといってこの二人に甘い恋愛期待すると、肩透かしくらいます。
ちゃんと恋愛はしてるのですが、なんかこう、見ててもこっちの気分が盛り上がらないんですよね。このシーンキュンとする!みたいなものがなくて。
いつのまにやらイスマイル様はそんなにレダのこと気に入ってたんだなー、へー…!と、第三者的な視点で見てしまっていました。
レダの事が好きすぎて勘違いでキレてた時なんかは物語的に盛り上がってたと思いますが、いまいちときめかせてはくれずに進行していった印象です。
この作家さんは読者をときめかせるような恋愛漫画を描くのが苦手なのではないかと思いました。
なので、シチュ萌えはできますが恋愛面に過度な期待はせず、全体的な物語の筋道を楽しむ感じで読むことをオススメします。