ネタバレ・感想あり10月の少女たちのレビュー

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面白い
2024年7月31日
少年少女のありふれた青春の1ページ。とてもキラキラして見えた。人間の描き方がうまく、人間性が見事に表現されていた。
いいね
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才能は初めのうちからきらきら。傑作短編集
2023年3月12日
やはり物凄い才能の持ち主なのだと驚嘆する1冊。70年代発表作品を主に収録。
上から横からとアングルも多様、コマの取り方が天才的で(218頁の曲線とか)、語り口の巧みさ。それでいて、強いアクがない丸みのあるライン。軽く行ったかと思えば未来社会の持つ息苦しさが示されたり、人生の出来事の一片を切り取った中に見せる心情に共感できる部分があったり。いつの間にかそれぞれ描かれた萩尾望都先生ワールドに連れていかれてしまう。1冊読み終わるのが惜しい気持ちで少しずつ読み進めた(読了直後で冷静さ欠如かも)。私はするする読むよりも、ちょびちょび読み進めて楽しむほう。くだけた日常生活も見せる「赤ッ毛のいとこ」も、SF物で異端者の生き方にメッセージが籠る「あそび玉」も、理解を越えた者を受け入れない人間社会を横目に鮮やかに生き抜く精霊達を描いた「精霊狩り」とそのシリーズも、あまりにも広角領域の作品群で、使われた言葉の巧妙な説明力と、絵に表されたモノの、こちら読み手の想像力をかきたてるうるさすぎない少なすぎない説明力とがバランスとって引き付けられていってしまう。急いで一気に読むことはないな、と2作品目で思ったこと。実際最後まで隅々残らず読み通してみて、改めて、初期70年代作品の充実ぶりに目を見張り、やはり最初から輝いていたのだと認識させられた。原画展へ2022年7月に行ったときの緻密な一連のアートワークを思い出す「月蝕」も収録されていたのは望外の幸運さで、嬉しく思った。「デクノボウ」の中で海に入り込む絵(308頁)が、読み手の私が萩尾先生の深淵な創作力の一端を見せつけられた気がして、今後も気になる先生だと改めて思わされた箇所。尚、159頁まりの足の向きが?「花と光の中」は制作時間不足?。
外から捉えられている少女漫画以外の少女漫画というのを見たい人には最適の教科書みたいなものと思う。砂漠の幻影が◎。
表題作71年8月24頁,みつくにの娘71年11月16頁,精霊狩り71年5月31頁ドアの中のわたしの息子72年2月31頁みんなでお茶を74年2月31頁,千本めのピン73年1月7頁,プシキャット・プシキャット74年4月4頁,赤ッ毛のいとこ1976年8月①~⑩各4頁位,花と光の中1976年24頁,あそび玉のエピエード1頁(1985年「半神]収録),あそび玉1972年1月31頁,影のない森1977年2月24頁,十年目の毬絵1977年3月16頁,デックノボウ1983年16頁,砂漠の幻影1984年4頁,神殿の少女1984年4頁,月蝕1979年12月左開き12頁
萩尾望都をたっぷりと詰め込みましたね?
2022年10月24日
この文庫版のセレクションは、何を意図しているのでしょうね。原稿が紛失してしまっている初期作品の「あそび玉」あり、アメリカンコミック用の「月蝕」あり。70年代だけでなく80年代の作品もあり、この本で初めて萩尾望都を読む人は混乱するんじゃないかと妙な心配をしてしまいました。
初期のころの
ネタバレ
2022年1月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ SFものや青春もの、ファンタジーなどで、萩尾先生の初期のころの作品が中心にまとまっています。こどもから大人へと成長していく過程での戸惑いやハチャメチャさを描いた作品、手塚治虫さん?作品のようなユーモアと皮肉も合わせもったコミカルな作品、短いページ数でありながら切なさと哀愁のある作品など、いろんなタイプの作品が読めて満足しました。
萩尾先生がどんな状態でネームを考えているのかを描いた『デクノボウ』。他の作家先生のことも知ることができ、おもしろかったです。
最後に載せてある作品『月蝕』は左開きで描かれているため、(その前にある『神殿の少女』が読み終わったあとは)最終ページのP.332からお読みください。
あそび玉めあてに
ネタバレ
2022年1月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 若い頃ポーの一族を読んたものの最後までうまく飲み込めず、再読することはありませんでした。ひょっとすると萩尾作品に取り込まれるのが怖かったのかもしれません。これらの短編集は実験的でありまたどれしも完成度が高いとは言えませんが、初期の萩尾氏の頭の中をのぞかせてもらったような短編が多く収められておりファンとしては非常にお得です。できれば紙で保存したかったけれども数々の名短編が読めただけでも幸せでした。影の森の、森にくり抜かれてしまった主人公の哀しみが忘れられません。
読み応えあり
2019年8月23日
この一冊にかなり多くの短編が収録されていて大変お得。短いのに一本一本どれも読後心に訴えかけてくる余韻があってすばらしい。
ハズレ無し
2016年12月23日
今まであまり読まれなかった作品がいろいろ入っています。原稿が紛失して、ゲラからおこしたSF作品の『あそび玉』。ご自身の創作活動について書かれた『デクノボウ』は、かなり興味深く面白いです。4ページの『砂漠の幻影』、『神殿の少女』のクオリティの高さ。アメリカンコミックスタイルの『月蝕』も素晴らしいです。
名作揃い
2015年10月3日
よくぞ電書化してくれました!
萩尾先生の瑞々しい感性が光る初期作品の数々が楽しめます。
ファンの間では伝説の、遊び玉も収録されています。
愛らしいタッチの10月の少女たちは、みーんな夢見がち。80年代の作品は、繊細なタッチでどれも切ない。神殿の少女などは、今ではありがちな話にありがちな構成ではあるけれど、淡々とした語り口からクライマックスへの盛り上げ方がさすがです。
エッセイ漫画であるデクノボウは、萩尾望都のネームの日々という貴重なエピソードが満載です!美内すずえ先生たちとの豪華な交流の様子も楽しめます。かくして名作は生み出されるのかと、感謝の気持ちが湧いてくるのです。
色々な作品
ネタバレ
2023年1月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 色々な作品がまとめられていますが「デクノボウ」が面白かったです。
漫画家の性というかネーム中は集中しすぎて他のことが出来ない、食事さえも摂らないとか、ささやななえさんの何回も吐くとか、家族の正論に辟易してる様子とかすごくよくわかりました。
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作家名: 萩尾望都
出版社: 小学館
雑誌: 小学館文庫