このタイトルにしては意外と純愛で、最後はギュギュッと詰め込んだようにいい話風で終わっていました。
でも個人的にはモヤモヤが残って複雑な部分も。
本来琉平くんは優しい子だということは分かりましたが、主人公のことが好きすぎて暴走しがちな所はかなり危なっかしくて怖かったです。
結果的に、主人公が琉平くんを好きになったおかげで何も問題なく幸せなハッピーエンドを迎えることができましたが、もしあのままお兄さんのことが好きで琉平くんに心が動かなかったらどうなっていたんでしょう?
きっと琉平くんは、恋心と、兄への嫉妬と、もう全てどうでもいいから主人公と一緒に堕ちてしまいたい、みたいな自暴自棄な考え方になって、主人公を仲間にヤらせる計画は確実に実行されていたと思います。
そう考えるだけで恐ろしくて、琉平を素直にいい子だなんて思えません。
そもそも序盤の強引さは、本番に至ってなかっただけで脅して身体を好きにするだなんてレ〇プとなんら変わりありませんでした。
終盤、堀内先生にみんながしていたことは彼女自身が望んでいたからだということが明かされ、他の生徒達も実はいい子だったみたいな締め方をされましたが、していた事実については何ら変わりはありませんし、ああいった行為に対して罪悪感が皆無だったことを考えるとそれも恐ろしいなと思います。
琉平が主人公をヤれと言ったら、もうなんの躊躇もなくヤってたんだろうなー…と。
信頼と犯罪の区別も付かないようじゃとてもいい子だなんて思えません。危なすぎます。
主人公も、最初は我慢して流されるばかりで、最後は結局あんなひどいことばかりしてきていた琉平を好きになって終わりってのも、なんだかなぁ。
兄への気持ちはもう良いのか。
琉平のお兄さんは本気で良い人だったと思うのでなんだか可哀想でした。
琉平から主人公を奪い返して守ろうとするみたいな見せ場を与えてあげてほしかったです。
最後、琉平の実の父親の話も解決して良かったなぁと思いましたが、いつのまに?と思うような詰め込み具合が少し気になったのと、この件があったから結局主人公は琉平に同情心も刺激されたのではないかと。
琉平の、主人公の気持ちを身体からだったり、同情するようなエピソード明かしたり囲いこんでいくスタイルはズルいなと思いました…。
結局の所、主人公可哀想だったけどチョロかったなというお話でした。