225ページ、1冊表題作。
病弱少年の弱さが、とても切なく哀しかったです。
寮制男子校の少年達の恋。
好奇心、友情以上の想い、独占欲、嫉妬、性成長期。
ウブで無邪気だった少年が、男なら誰しもあるズルさと男のプライドを持つ普通の人間になっていく現実が、残酷でした。
傷を見せたのが、より一層哀しくなります。
先輩に住所を教えなかった主人公に彼の幼さが現れ、等身大の少年期の未熟さにも思えました。
物語ではハピエンな展開が多いですけど、現実的にはこういうケースの方が多いんでしょうね。
美少年もでしたが、作者さんは男のズルさを描くのが上手いですね。
特別な話ではなく、男性は女性にはない見栄とプライドがありますから、こういうズルさはほとんどの男性が持っていると思う。
。。ところで、よくBLでノンケを嫌うゲイの話が多いけど、最もだと思い知らされた気がします。