ネタバレ・感想あり燃ゆる頬のレビュー

(4.3) 18件
(5)
9件
(4)
7件
(3)
1件
(2)
0件
(1)
1件
重いけど…。
2024年7月8日
凄く丁寧なストーリーの進み方でゆっくり噛み締めながら読むことができました。思春期の危うさとか美しさとか私の歳になると刺さる。この話は好み分かれるかなぁ。でもじっくり読むならお勧めです。
いいね
0件
花から蜜蜂になった少年。
ネタバレ
2022年6月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 男子校寄宿舎での少年の成長が描かれています。少年特有の同性への憧れや性衝動を経て、体の成長に伴い芽生えていく自尊心が、自分と相手を傷つけていきます。凄く繊細なのに同時にふてぶてしさも感じる主人公がリアルで良い。少年期って支離滅裂なものですよね。ラストで少年は何もかもをのみ込んで、やっと完全な大人となったように見えました。
瞬くような青春の残酷さ
ネタバレ
2021年9月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 以前、『美剣士』を読んで衝撃を受けた作者さんで、フォローしている方のレビューで、こちらも読んでみたくなりました。(読み放題対象)
「少年愛」の世界というものに触れてこなかった者としては、その世界の尊さを読み取ることはなかなか至難の業であり、その世界を知って浸れることを羨ましくも思います。
そんな私は、フォローさんとは違う読み方をしていて…。「死」よりも主人公の虚無を感じさせる中にある「生」を印象付けられました。サナトリウムの白樺荘で出会った17歳の少年を三枝と重ね、解放的な眩しささえ感じる少年の姿を目にした彼のモノローグは、二通り。「居場所を見つけた」と思うも、すぐに「阿呆だ」と打ち消す。三枝といながら、旅先で出会った少女に目と心を奪われた彼の本音が漏れる。あの時の、彼にとっての本当の意味での性への目覚めは、責められるものではなく、ただ、寄宿舎という環境に流される若さしか持ち合わせていなかっただけなのだな…と。そのときの燃える頬は、今はない…。最後まで三枝に返事を書かず、すでに「青春」のときを終えた彼は、例え病が回復せずとも、三枝の元へ自らいくことは選ばないのではないかと、そう思いました。
ただ、病に臥せ、そこから抜けられなかった三枝の姿、想いは、本当に辛く、若さを呪ってしまいます。痛みに耐えながら手紙を書く三枝に、叶わぬ青春(恋)の残酷さを突き付けられます。三枝と同じ病を患い、臨終近くまで書くことで自らを保っていたとされる正岡子規のことを思い出し、あぁ、なぜ彼は三枝に返事を書かなかったのか…と、三枝を想うと、ただただ胸が詰まります(でも、17歳の私も書けなかったかもしれない)。三枝の死の真相は分からないけれど、「明日こそ」と思いながら、届かぬ返事に絶望を募らせたに違いなく、自分を保つこともできなくなってしまったかもしれない。なんとも、やるせない余韻が残ります。
物語の雰囲気に絵がぴったりとハマっていて、惹きこまれました。花と蜜蜂の描写、「ちょっといじらせない?」が特に残っています。とても良かったです。
ちなみに、フォローさん、主人公の彼は「君」「お前」「あなた」「僕」でした。私は、兎の面を付けた彼が気になってしまって…困っています😓
主人公の身勝手さがリアル
2020年9月24日
原作の小説は読んでいませんが小野塚先生の絵によってものすごく耽美に仕上がっています。
同性だけのギムナジウムで一歳歳上の同級生と倒錯した関係に耽るものの外に出て異性に出会っただけで自分の中の男性性に気づくところは絵の美しさとは対照的に人間の自分勝手な狡さがよく描かれていると思いました。
世界観
2020年1月12日
世界観を崩さずに描ける作者さんなんだなあ。凄い。
寄宿舎サナトリウム結核、耽美の世界。
いいね
0件
凄い
2016年12月6日
堀辰雄と言えば、「風立ちぬ」が有名で
「燃ゆる頰」は今回が初読みです。
掘本人が結核を患い、
死がすぐ横にある状態での執筆ですから
作品は死と生とが入り混じり、切ないまでに刹那を切り取っていて
最後まで読むと若干滅入ります。
明るい作品を好む方には向きませんね。

でも、その世界観は深くて魅入られます。

それを小野塚さんの耽美的な絵が彩っていて凄く素敵な作品でした。

読み放題対象ですが、
昭和初期の文学小説がお好きな方には是非オススメしたいです。
三枝美しい〜!!
2016年11月3日
堀辰雄じゃないですか!まさか漫画化されてたとは知らず、偶然読めてラッキーでした!すごく面白かったです!原作よりずっとドラマチックに仕上げられてますね!絵も美しく、BLらしく絡みも多くて正直驚きました!花から花に自由に移る蜜蜂のような主人公のズルさ(男の性欲)が、すごく解りやすく描かれていました。小野塚さん凄すぎる〜!最高でした!
深くて映画のようなストーリーです。
ネタバレ
2016年7月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 綺麗な絵と、思春期特有の少年の葛藤に引き込まれました。簡単なハッピーエンドでない所が、より深さを出しています。
いいね
0件
切なく哀しい。等身大の少年のズルさ。
2016年6月15日
225ページ、1冊表題作。
病弱少年の弱さが、とても切なく哀しかったです。
寮制男子校の少年達の恋。
好奇心、友情以上の想い、独占欲、嫉妬、性成長期。
ウブで無邪気だった少年が、男なら誰しもあるズルさと男のプライドを持つ普通の人間になっていく現実が、残酷でした。

傷を見せたのが、より一層哀しくなります。
先輩に住所を教えなかった主人公に彼の幼さが現れ、等身大の少年期の未熟さにも思えました。

物語ではハピエンな展開が多いですけど、現実的にはこういうケースの方が多いんでしょうね。

美少年もでしたが、作者さんは男のズルさを描くのが上手いですね。

特別な話ではなく、男性は女性にはない見栄とプライドがありますから、こういうズルさはほとんどの男性が持っていると思う。

。。ところで、よくBLでノンケを嫌うゲイの話が多いけど、最もだと思い知らされた気がします。
良かったです。
2024年6月12日
ちょっと不思議な感じのする、切ないストーリーでした。救いがもう少しあると良かったかなぁ~と、思いました。
いいね
0件
思春期独特の脆さや危うさ
2021年11月24日
実は「風立ちぬ」の原作者さんなんですね・・・掘辰雄さん。時代が時代だからでしょうか・・・「生」と「死」について詩的に・・でもリアルに書いていらっしゃるようです。私自身は原作を読んでいないのですが、これを漫画にするのだとしたらやっぱり小野塚カホリさん・・なのだろうな、と思いました。主人公は最後まで「僕」であり名は出てきません。この「僕」を中心に、寄宿学校(男子校)にありがち?な特有の性的な色々が繰り広げられてゆきますが・・・非常に文学的で不思議と美しい世界なのです。ただちょっと内容は難しいし、「ハピエン」や「結末がはっきりしている」のが好まれている昨今ではあまり人気は無いのかなと思いますが・・・でも「名作」だと思いますね。
最終的には「僕」の中で少し気持ちを落とし込んだ・・というか、ぐるぐると思い巡らせていた事にケリがついた形で終わっているので、もやもやはしないかなとは思います。購入するのは躊躇うけれど、読み放題なら手に取りたい・・ステキな作品です。
ひ〜ん😔
2019年9月26日
切ない…受けがどれだけ攻めの手紙を待ち焦がれていたか。待ちながら最後の日を迎えた受けの気持ちがとても痛い。ひさに切なくなりました。
いいね
0件
昔の
2018年2月11日
耽美系を思い起こさせます。絵も綺麗で 病気がちでどうしようもなく世界も狭くなる。本気になっても相手には自由がある。どうしようもなく男性なのに惹かれる。
そういう 仕方のないこと がいくつもちりばめられてました。ラストはちょっと意外な終わり方かなと。
いいね
0件
堀&小野塚らしい作品
ネタバレ
2017年11月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 堀辰雄さんの死生観と小野塚カホリさんの表現がすごく合っていて、読み応えある作品でした。
主人公と三枝くんの間にあった感情、三枝くんの最期、主人公のこれから…全部明確には描かれていませんが、描かれていないからこそ余韻が残り、きっとこうだったのだろうと想像できます。
ただ読み終わった後の喪失感が半端ないです。
いいね
0件
重いお話
2016年1月11日
これまた人間心理を描いた重たいお話です。感情的に共感できるシチュじゃないので、結構頭を使います。それでも最後まで読んじゃいました。
いいね
0件
暗めだけどよかった
2014年12月29日
この作者さんの描く作品は暗めのものが多いのですが、これもちょっとそんな感じです。でも絵が色っぽくて、雰囲気があって、話もしっかりしていて好きです。普段BL読んでいる人よりそうでない人の方が好きな作品かもしれません。
美少年から
2015年11月19日
オノヅカ先生の『美少年』を読んで、ちょっと気になりこちらの作品も読んでみました。美少年も独特な世界観でしたが、こちらも読みごたえありですね。字が多いので私には少し大変ですが、たまにはこういうのも悪くない!
いいね
0件
1巻完結
2014年12月26日
ハッピーエンドが好きな私には悲しいというか切ないというか。感情を読み取るのも少し難しかったです。
いいね
0件
レビューをシェアしよう!
作家名: 小野塚カホリ / 堀辰雄
ジャンル: BLマンガ
出版社: ジュネット
雑誌: JUNEピアス