ネタバレ・感想あり成層圏の灯のレビュー

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どこかすごくリアルな名作
2024年9月14日
かなり特殊な思い過去を持つ英と、彼が一目惚れした佐伯との長い恋のお話です。才能あるイケメンの英がひたすら愛する佐伯が、倫理観の緩いただの大学生なのが不思議で、彼女と当たり前のように二股をかけられたり不憫で仕方がなかったです。結局英の隣にいると空っぽなら自分に気付かされると佐伯は離れて行くのですが、この関係が途中で逆転するのが驚きでした。空っぽだった佐伯が自分の道を決め、腹を括る成長ぶりもすごかったし、その後10年近く意地を張り続けた英にもびっくり。作品自体が長い時間をかけて描かれているので、まるで複雑な人の心理を複雑なまま見せられているようで、読み応えたっぷりで、どこかすごくリアルで面白かったです。作品の描かれた経緯を作者さんが書いていらっしゃいますが、結果的に急がされることなくじっくりこの作品を描いてもらえて本当に良かった。ストーリー重視の方なら読んで間違いない名作です!
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成層圏の灯より、美しい灯よ。
ネタバレ
2023年2月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 鳥人先生が数年かけて作られた作品だけあって、その熟成度は芳醇でした。乗り越えるものが多い2人だけに、いろいろ遠回りしましたが、最後の最後にこれが2人の最短距離だったんだなと思いました。英は憧れの成層圏の灯を見ることが出来たけど、あの気恥ずかしくなるくらいのおかえりの灯の方が嬉しかったんじゃないかと思えたところで落涙。圧巻の最終章でした。
名作
ネタバレ
2022年5月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 20年以上前に読み、深く感動した作品。内容はヘビーで母親から虐げられ、叔父に引き取られ関係を持ち別れ話しから絶望して死のうとするも未遂などトラウマ抱えるが写真家としての才能はある英と透のcpを10年以上追いかけてる凄い作品でした。一巻の試し読み部分は絵もストーリーも当時読んでいたものより古い感じなので、2巻の試し読み見て読むか決めてみて下さい。最後はハピエンです。
読ませるBLの名作
2021年7月25日
あのね、この作品、一筋縄にいかんのですよ。惚れた腫れたでは結末を迎えられない、どこまでも面倒くさい、人間のしがらみとか理屈とかエゴとか、崇高なまでの愛情とか。そういうものがしっかり表現されていて、泥の中から何か美しいものが暴かれていく過程をみたような気がしました。

私自身が10代から40代へ時が進んで再読しましたが人が人を愛するってことは、美しいことであると同時に抗い難い本能と軽薄さで出来ているのでは、なんて染み入ったり。
まるで映画を観ているような気持ちで読める作品だと思います。星5。
圧巻です。よかったー‼︎
2021年7月6日
おとなしめの地味な表紙ですが、視界の端に入った時、妙に気になり購入。
結果、読んでよかった〜!。何と、こんなドラマチックな物語だったとは‼︎

幼少期より過酷な環境と特殊な人間関係に翻弄されて来た青年と、チャランポなパリピ生活を送って来た青年がある時出逢ってしまい、お互いに翻弄されながら、あざなえる縄の様に交錯していく物語。
絵柄が古いと思う人もいるかも知れませんが、ザンバラ前髪の隙間から目が覗く鬱陶しい今時キャラより全然いい!
主人公2人が一見普通にその辺にいるような人物である事が物語によりリアリティを与えて厚みを持たせていると思います。

物語はかなり重厚です。ドロドロの過去の描写、現在のドロドロ、収まるところに収まったと思ったら、また二転三転。
登場人物の心理描写も丁寧で、濡れ場も余計なセリフがない分リアリティがあってかえってエロチックでした。

最後ようやく幸せに着地して読後はホッと一息。
満足ですが、読むのにものすごく体力使った気がします。
迷ってるそこのあなた、絶対おすすめ‼︎
「ここに帰ってきたいんだ」
ネタバレ
2021年6月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ BL読者ならかつて誰もが知っていたタイトル。初出が1993年、最終話完結は2002年と長期・不定期に発表された物語ですが、人間性と愛と再生というテーマは普遍的で、いっそ現代的です。

ただ…(どんな小説やコミックも大なり小なりそうですが) この作品は著しく読み手を選びます。心配な方は試しにチェックしてみてください。

(0)健康面、特に心臓や血圧は安定していますか?(人によっては衝撃的に感じる展開もあります)
(1)BLに女性が(軽く)出てきても大丈夫ですか?
(2)いわゆるリバが平気ですか?
(3)CPが他の人としても平気ですか?(累計複数でも?)
(4)薬物の使用経験がある登場人物を許せますか?
(5)近親者による児童や未成年への虐 待(性的含む)を正視できますか?
(6)あなたは、心が弱く過ちを犯す(繰り返す)人間に寛容であれますか?
(7)あなた自身も不完全で矛盾に満ちた存在の一人であると思えますか?

このどれか1つでもNGがあると、読んでいる途中で不安や不快感を覚え、うっかり作品に対して腹を立てて☆を減らしたくなってしまうかも知れません。そんな時はエピソードの細部から眼をそらし、作品の伝えたいテーマやメッセージに集中してみるといいのでは…と思います。

連載当時、私は上記のうち2つの項目でつまずき、自分がどんな人間かを思い知って心に大打撃を受け完読できませんでした。
作品は、読み手をそのまま映す鏡だと初めて知った瞬間でした。
年月を経て、自分にも他人にも理想と完璧さを求めすぎる狭量なところを少しずつ克服し、自分と他人の失敗や心の弱さも少しずつ受け入れられるようになった今、やっと読み終えることができ、この物語を心から人に勧めたいと思いました。

言葉で語られない相手の心情を人は正しく知りうるだろうか。言葉とは裏腹な心情など人は正しく知りえるものだろうか。
鳥人(とりびと)ヒロミ先生が描く彼らの、じっと見つめる眼差しは、そんな彼らの心の機微--おもてからは捉えにくい微妙な心のおもむきやナイーブさそのものが瞳という形になったかのような、不思議な雄弁さに満ちています。

「ここに帰ってきたいんだ」
この言葉を発するまでの、耳にするまでの、彼らの長き年月と激動、葛藤。この言葉を目にするたび、嗚咽がこみ上げます。
めっちゃいい!
2020年7月16日
泣けた。最後のラストがとても良かったです。800ページ読んだ。あっという間だった
病んだ男とクズ男
2020年4月15日
第1話は読み切りだったかな。それでもすごく好きな話だなと思っていたらすぐに連載が始まりずっとリアで読んでました。もうもう両方とも面倒くさい人間性なので話の進む方向にもずっとイライラさせられながらも、切なくて切なくて何とかならないのかというもどかしさ。連載の進行がゆっくりで長かったので最初と最後で絵がかなり違いますが、そこが気にならない人ならストーリー重視のBL好きはきっと面白いと思います。鳥人さん、すごく好きな作家さんの一人です。
星5以上。名作!圧巻の説得力。
ネタバレ
2019年3月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1つ1つのお話は短編ですが、1つのCPの10年以上に及ぶ物語です。コミックスが出版された当時読んで、ずっとずっと記憶に残っている作品でした。シーモアさんで、同人誌発表されている番外編まで配信されていて深く感謝。改めて読み直し、やはりこの作品は凄いですよ。心に深く刺さります。行間をも読ませる感じで余韻も大きいです(ちゃんとお話はきちんと決着しますのでご安心を)。題材は、もうホントにいろいろシリアスな要素テンコ盛りなのですが、それを圧倒的な説得力で読ませてしまう。普段私はリバとかショタはどちらかというと苦手なのですが、この作品だけはスラスラと納得。それだけ惹きつける力のある作品だと思います。2人の恋愛バランスは見どころで、紆余曲折で展開が凄い。
何年もかけて連載されているので絵柄は若干変遷がありますが、後半どんどん洗練されて色っぽい。
ぜひ読んでいただきたい作品です。
読み応えたっぷり!
2019年1月11日
昔の作品で内容もかなりシビア、というか片方の生涯が波乱万丈。年数も経ってるので最初はディスコや黒電話が出てくるけど内容的には古さは感じない、絵も。2巻になった時に少し違和感はあるけど最初だけで読み進むと問題ない。ヒマラヤが出て来て展開が読めた…が杞憂に終わった。と安心してたらあと書きではやはり最初の構想はそうだったって。だよねーあの頃はシリアス系はそんなんばっかりだもんねー!そこも高評価!P396とP357でこのお値段!ゆっくり時間を作って読みたい作品。リバです。
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懐かしい!
2018年3月4日
この作品好きだったな~。雑誌で読んでたけどこんなラストだったのか。えいちゃんみずみずしかったーー。長期に渡る作品だしやっぱり絵がだんだん変わってしまうのがちょっと残念だけど名作には変わりなし。佐伯と幸せになるんだよ!
もう人間ドラマ
2018年1月31日
鳥人ヒロミ先生は読みごたえがありますよね。そして良い意味で人間臭い!!
濃いです。
2017年6月27日
大好きな漫画家さんです。鳥人先生が描く作品は内容が濃く本当に読み応えがあります。
かなり前の漫画で好き嫌いが分かれるかもしれませんが、おすすめします。
再読
2021年4月20日
絵の変化がすごくて、長い間に描かれたものなんだなと改めて。
ちょうど英の過去篇のあたりの絵が好きです。
古の腐女子なもので
2018年9月2日
古の腐女子特集の煽りに誘われて購入しました。
もともと鳥人ヒロミさんの作品好きなので、抵抗なく買いましたが、良かったです。
レビューに話が好きな腐女子は読むべきとありましたが、その通りだなと感じてます。
明るい盛り上がりネタは無いですが、重たい題材を端々に折り込んで、最後の所まで持っていったのが良かったです。
ラストで山登ってる時は、最後までオチがどっちになるかドキドキしてました。
ストーリーしっかり
2017年1月16日
私的には結構重い話でした。他作品で作者が好きになり、買い漁って読んでいますが、どの作品もストーリーが物凄くしっかりしていて、どこか暗い部分が潜んでいます。
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よかったです
2015年8月15日
絵は少し癖があるようなきがしますが、話しはわりと良かったです。
ひどく重いストーリー
ネタバレ
2021年11月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ かなりのボリューム。母から子への仕打ち、叔父との関係、浮気、復縁、軽いタッチで進む割に壮絶な出来事のオンパレードなので、わりと気持ちが引きずられ持っていかれ読み疲れました。叔父との純粋な恋愛感情は私にとっては救いでした。作者さんが英を死なすか死なさないかで、この作品の印象や評価はだいぶ変わったと思う。
好きな作家さんですが
2019年9月29日
この話はいつまで続くんだ?と思いながら読んでいました。
掲載が途切れ途切れになりながら長期に渡ったとあるので、後半の絵がかなり違ってしまったの違和感あり。また、土下座して縋り付くほど執着したのに、相手が手元に来たら「もういらない」とか、理解不能。
時系列がどうなっているのかも分かりにくい。特に後半。
多分、好きな人にとっては愛着のある作品だろうけれど。
私はちょっと再読する気にならなかったです。
残念
2018年10月5日
連載時の事情があるようですが、話の整合性がとれていません。エピソードのいくつかは読み応えがあるので、残念です。第1話の裏付けのエピソードが時系列があちこちしながら続き、第1話のシーンに戻り、その後のエピソードが続き大団円、という1巻2巻で完結なのですが、第1話とその後の話が同じ話とは私には思えなかったです。タイトルからしても大筋は考えていらしたのだとは思いますが、色々残念でした。また、ストーリー、絵共々全体に古い印象を受けました。
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作家名: 鳥人ヒロミ
ジャンル: BLマンガ
出版社: 新書館