コマ割り、ストーリーとオチの設定など、日本の漫画文化をよーく学んでいて、この作家さんのギーク(オタク)ぶりに感心至極。タイトルも本としてのつくりも、外国人が見た日本、という、ほかの媒体でもよくあるスタイルと見える。それはそれで面白いのだが、実は細部には、そんなスタイルではふつう出てこない日常的瞬間をとらえたシーンがあって、この作家が日本漫画を深く探究しているとわかる。たとえばほんと小さな場面だけど、湯を注いで3分待つ間のカップ麺の「つぶやき」に「シッ」と言ってフタを抑えるところ、とても感動した。あの瞬間を描こうと思ったとは、この作家の漫画見識、高い!