このレビューはネタバレを含みます▼
183ページ。
6話入り短編集。
ずっと気になってた作者さんで、まず短編集を読んでみました。
話自体はきちんとしてる、けどなんかこう……キャラクターの性格が自分にはしっくり来ない、どうにも好きになれない感覚で、中立の星3つ。
〜〜〜〜〜
・『私が世界を愛するように』見栄っ張りの虚言癖の少女、そこに幼少期に飼っていたハムスターと霊現象を絡めて自分を見つめ直す話。個人的に、子供の誕生日プレゼントとして欲しがってもいない生き物を与える親に最も恐怖を覚えました。
・『メッキ星人の罪』おおらかな主人公と、その友達。主人公の前世の記憶を絡めて。友達の、体面ばかりを取り繕う母親と、それと同じになってしまうことへの友達自身の葛藤と恐怖が良かった。前話とシリーズになっていて、霊能力のある島田君というキャラが出てきます。この話も前の話も、霊関係の要素が絡まない方が、人間性の描写に集中できて良いのにな〜と思いました。
・『野ばらの国』狭いアパートで、アル中の父と壊れかけの母と暮らす少女。ここではないどこかへ行きたい、下心のある相手でも優しくしてくれただけマシ、そんなかわいそうな話。救いはあるもののしょんぼりしちゃう。
・『えみちゃんと一緒』死んでしまった妹のえみちゃんは猫の死体や虫を千切るのが好き……これ、一応ハートフルっぽくまとめてはいますが、その後に気が狂うほどの辛い日々が待ち受けてそうで戦慄。だって、えみちゃんのあの趣味は、生まれついてのどうにもならないものじゃない……?
・『うちのママは漫画家ですv』著者本人をもじった名の漫画家が出てくる、メタ的パロディー。この本の1話目2話目も関連。
・『不思議な記憶』著者の友人や本人の、不思議な話体験談集。