ネタバレ・感想あり野ばらの国のレビュー

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キャラクターが自分の趣味に合わない感じ
ネタバレ
2024年7月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 183ページ。
6話入り短編集。
ずっと気になってた作者さんで、まず短編集を読んでみました。
話自体はきちんとしてる、けどなんかこう……キャラクターの性格が自分にはしっくり来ない、どうにも好きになれない感覚で、中立の星3つ。
〜〜〜〜〜
・『私が世界を愛するように』見栄っ張りの虚言癖の少女、そこに幼少期に飼っていたハムスターと霊現象を絡めて自分を見つめ直す話。個人的に、子供の誕生日プレゼントとして欲しがってもいない生き物を与える親に最も恐怖を覚えました。
・『メッキ星人の罪』おおらかな主人公と、その友達。主人公の前世の記憶を絡めて。友達の、体面ばかりを取り繕う母親と、それと同じになってしまうことへの友達自身の葛藤と恐怖が良かった。前話とシリーズになっていて、霊能力のある島田君というキャラが出てきます。この話も前の話も、霊関係の要素が絡まない方が、人間性の描写に集中できて良いのにな〜と思いました。
・『野ばらの国』狭いアパートで、アル中の父と壊れかけの母と暮らす少女。ここではないどこかへ行きたい、下心のある相手でも優しくしてくれただけマシ、そんなかわいそうな話。救いはあるもののしょんぼりしちゃう。
・『えみちゃんと一緒』死んでしまった妹のえみちゃんは猫の死体や虫を千切るのが好き……これ、一応ハートフルっぽくまとめてはいますが、その後に気が狂うほどの辛い日々が待ち受けてそうで戦慄。だって、えみちゃんのあの趣味は、生まれついてのどうにもならないものじゃない……?
・『うちのママは漫画家ですv』著者本人をもじった名の漫画家が出てくる、メタ的パロディー。この本の1話目2話目も関連。
・『不思議な記憶』著者の友人や本人の、不思議な話体験談集。
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短編集
ネタバレ
2023年4月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「私が世界を愛するように」→人を羨み、虚栄心から嘘にまみれる佐倉。ペットはろくに世話もせず、最後は殺してしまう……。それでも佐倉を助けるペットや苦言を呈す島田のおかげで、佐倉は現実を受け入れられるようになりました。でも、もしもそのまま進んでいたら……?
「メッキ星人の罪」→表向きは優等生ながら鬱屈を抱える絢と一見するとお人好しな郁子。そんな中で絢の死亡。全てを受け入れ飲み込む郁子の強さが凄い。しかし絢には死しかなかったのでしょうか。
「野ばらの国」→酒浸りの父と、壊れた母。さらに用務員の欲望の餌食となる貧乏で不幸な境遇の由美。かわいそうで末恐ろしくて男好きのレッテルを貼られ、家にも学校にも居場所のない日々。いやなものは何もない国、楽しいものだけがある国。そんな国はなくとも最後に由美は新しい環境で新たな一歩を踏み出しました。
「えみちゃんといっしょ」→ユウコの妹は幽霊?!中々グロくてインパクトは強いですが、後味が悪い。
「うちのママは漫画家です」→美々の母は漫画家。素晴らしい漫画を描くために動物を殺したり、父もそんな母に超協力的。ホラー?コメディ?両親怖過ぎでこちらも後味悪し。初出なし。癖強め。
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作家名: 明智抄
ジャンル: 少女マンガ 学園 / ホラー
出版社: ビーグリー