まず大前提として、「ベルばらでは完全な悪役」とレビューに記載されている方がいますが、その悪役はデュ・バリー伯夫人であり、こちらの作品のヒロインであるポンパドゥール侯爵夫人とは完全に別の人物ですのでご注意ください。ポンパドゥール夫人が亡くなったあと、デュ・バリー伯夫人が公妾になっています。
この作品はそのポンパドゥール夫人ジャンヌが国王ルイ15世と出逢い、ヴェルサイユ宮殿に部屋を賜り、公式寵姫になるまでのストーリーです。この作品だけだと単にジャンヌが寵姫になりたいがために夫シャルルを裏切った悪女のように見えますが、寵姫となった彼女が今後積み上げていく後世にも残る功績は、この作品では一切描かれていません。
彼女の功績を知りたい方は「かの名はポンパドール」という作品がシーモアにあるのでぜひ読んでみてください。未完ですが「花とロココのメモワール」もおすすめです。こちらはまだ寵姫にすらなっていませんが…
今作品は女性漫画ということもあり、国王ととある女性の出逢いから結ばれるまで、という意味では良い作品だと思いますが、ポンパドゥール夫人の生涯という副題にはふさわしく思えないので星3つです。ぜひ、続編を出していただきたいです。