一気に読むと息切れして苦しくなりそうだったので1日1巻ずつ読みました。それでも読み終わりには苦しさと安堵感に息が一気に吐き出された感じです。一ノ瀬先生の作品は初読みでしたが、ボクシングについてとても勉強している様子で、参照文献も割に多く、その真摯な姿勢にとても尊敬しました。ケイの生い立ちは過酷という言葉ではくくれない程のもので、その精神の描写はとても痛々しいです。ケイはユタカによって救われたけど、ユタカもまたケイによって救われて、お互い必要だった存在だったのだと感じました。それはきっとお互いがお互いにとってのギフトだったのかなと。ケイの笑顔よりも、ケイの居場所や他人との触れ合いで再生を表現した描写に一ノ瀬先生のセンスの良さと表現力の高さを感じ、作品に対しての熱意、息の吹き込み方、描き込み、本当に感動しました。他の作品も是非購読したいと思います。