1巻が無料になっていたのでなんとなく手に取りましたが、上、中と一気に読んでしまいました。もともと一ノ瀬さんの作品をpixivで読んだことがありましたが、こちらの作品はそれよりもまず絵が素晴らしいと思います。正直、pixivに掲載されている作品は内容がとても面白い一方で人物と物のサイズ感などがあれれっと感じるところもありました。ところが、この作品では、そういった違和感がないどころか、人物の表情や体の線も本当に素晴らしかったです。一ノ瀬さんの特徴として目の描き方があると思いますが、そこに感情がぐっとこもっていてい素敵です。あと、蛇足かもしれませんがエッチのときの体の描写と表情がリアルにマッチしていて感心してしまいました。内容的には、幼児期のトラウマを抱えた主人公というフィクションらしいドラマチックな設定を利用していますが、あくまでもそれを前提としてうまく生かしているように見受けられました。設定に頼り切っていたり、あるいはうまく乗り切れなかったりといった心配はないと思います。無駄な詳細の省き方もちょうどいいバランスで、それが一気読みさせるスピード感を生んでいるのかなと思いました。最終巻の発売を楽しみにしています!