酔うと化け物になる父がつらい
」のレビュー

酔うと化け物になる父がつらい

菊池真理子

若干イライラ

ネタバレ
2018年7月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 苦労したんだなぁ、酒乱が家族に居ると大変だなぁ、と言うのは痛いほど伝わる。
…が、DVされているのに
「この人には私が必要」
と離れられない女性のように、父親と距離を取れない作者にイラついた感情も芽生える。
無神経な飲み友達やスナックのママに言いたいことを飲み込んだのも、偉いこととは思えない。
無神経な相手にものを言わずに自分の気持ちが伝わるわけが無い。
聞いたところで相手がどう受け止めるかはわからないが、自分がこう思っているというのはぶちまけるべきだった。
これについては、耐え忍ぶことは大人でも何でもなく、単に作者の気が弱かっただけでしかない。
まともな環境で育たなかっただけに、そこら辺の判断力が貧弱なのは仕方ないのかもしれないが、読んでいてモヤモヤするものがある。
父親に対して恨み辛みの内容ばかりだと読者から悪く思われるんじゃないかと警戒して、保険で美化させているのかと思ってしまうほど。

アル中が身近にいるとこれだけ大変だというのはやよくわかり、何となく大変そうなのはわかるけどイマイチ具体的に想像できない人にとっては有意義な一冊。
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