AIの遺電子
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AIの遺電子

山田胡瓜

設定がしっかりしている

2018年8月2日
世界観の底が深い。1話完結の形であっさりした終わり方が多いが、それは誰しもが想像できる結末(もしくは答え)を、わざわざ描かないという手法であるだけなので、説明されるよりも自分で考えたいというタイプ、あるいは一を聞いて十を知るタイプの方には好きな終わり方だと思う。ロボットやヒューマノイドの話だが、心は人間に通じるところがある話なので、人生経験が豊富な人ほど、この作品の奥深さに心を揺さぶられるのではないかと思う。しかし私はそれほど大した人間ではないので、考えさせられることがとても多かった。なんだか切ないなと思う話もあれば、目から鱗の話もあった。最近発表されたロボットが、とても人間に近づいてきているので(本好きのロボットが話し相手の人間も本好きだと分かると、表情を明るくして饒舌になるが、人間が嫌そうな顔をすると、その表情を読みとって黙るということまで出来るようになったらしい)これを読んで、何故ロボットを人間に近づける必要があるのかと考えさせられるようになった。
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