このレビューはネタバレを含みます▼
アニメで観てとても面白かったので、全巻大人買いしました。
漫画ではアニメで省略されていた描写もあったので、改めて深く感じ入る部分がありました。
巴衛が格好良くて魅力的なのは勿論ですが、ストーリー作りと妖の世界観が素敵で日本の文化っていいなと思わせてくれる漫画でした。
奈々生も普通の高校生のようですが、愛溢れる温かい人柄で賢い部分があります。
妖の純粋さと長い時を越える設定がロマンチックさに拍車をかけていました。
少女漫画で、ここまでしっかりしたストーリー展開の漫画はそうそうないのでは・・・。
主要キャラクターだけでなく、脇役キャラクターまでも個性的で魅力的でした。
悪羅王のお話も、読み解いていくと深くて、コマの中で心情を想像したくなります。
ラストは『神』と『妖怪』で終えることも可能だったかも知れませんが、作者の伝えたいことのなかには、人として感じる刹那的な想いの尊さや、一緒に歳を重ねていくことの意味が含まれていたので、若い子が読んで感じることと、大人目線で読むのとでは、実感として感じるものが違うと思います。若い世代の方には、歳を重ねてからまた読み返してみて欲しいです。