執事たちの沈黙
」のレビュー

執事たちの沈黙

桜田雛

7巻が限界

ネタバレ
2018年10月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ クズのフリしてもなんだかんだ紳士な執事→やっちまったなーくらいのノリで未成年のお嬢様に手を出しかねないキャラへ。高飛車でおバカだけど本命には素直かつ健気で変わろうと努力するお嬢様→ちょっと心配になる頭の悪さで努力もその場限り、常に色ボケしてるおバカな美少女というキャラに落ち着く。 ⠀ ⠀
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執事とお嬢様&年の差&正体を偽った禁断の恋愛という設定を面白おかしく描いていた作品ですが、もう盛り上がる事は起きなさそうというか盛り上がれそうもない感じです。執事が見ず知らずの男と偽ってアホで高飛車なお嬢様と恋愛していた二重にも三重にも秘密な関係は今も読み応えがあります。偽ってた頃の執事はクズを演じながらもどうしてもお嬢様を大事にしてしまうところや親心と恋愛感情に揺れながら接するギャップがとても良かった。普段高飛車なお嬢様が色ボケで女の子らしくしようとトンチンカンな頑張りを見せるのも微笑ましかったです。しかし正体をバラしてからはその初期のノリが仇になったか、執事が未成年のお嬢様に酔った勢いで手を出したり以前ほど罪悪感を抱いてなさそうで「執事とお嬢様の禁断の関係」という緊張感が薄れました。お嬢様も高飛車さが抜けて常に色ボケになり過激な少女漫画を教科書にしてエロは積極的に調べるものの「悠々自適」という四文字熟語が分からないなど下品なおバカさんになってしまいました。初期は好きな人のために勉強を頑張って健気な印象がありましたが、7巻になっても赤点だし「勉強より大切な事があると思うの」と執事の下半身事情を優先し野菜の買い溜めまでしてたのでこのキャラは成長しないんだなーと冷めてしまいました。きつい見た目なのに中身が夢見がちなアホの子というキャラクターって可愛いはずなんですけど単純にお嬢様の良いところがビジュアル以外無さすぎる。正式な恋人になったら当然そう考えるとは思うものの、2人ともエロに走ってるのでエロに走り出したらオチがだいたい予想のつく展開なのでまあ読み手としては退屈です。執事の兄とか出てきましたが意味深に出て来たお母様も特に面白い展開に繋がらなかったので期待値は低めです。編集者によるテコ入れがあって作者様が練った本来の構想ではなくなっていったのかもしれませんが、正体をバラしてからの2人は目新しさや見守りたくなるような誠実さがなくなり物足りなくなりました。
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