このレビューはネタバレを含みます▼
主人公、けっこうな目に遭ってるんです。
家出の理由も確かに思春期のこどもにはあまりに酷いし、リストラも冤罪もフラれるのも火事も、そして拗らせの根源、父親の死も。
けっこうヘヴィなはずなんだけど、落ち込みきれない。悲しみに浸って酔ったりしない。ドン底の状況なのに「まさかの降って湧いたイケメンと同居(ウハ)」とか浮かれちゃう辺り、もう、『愛すべき俗人!普通バンザイ!』です。
そうそう、現実てそうなのよ。悲しんでも泣いてもお腹空くし、俗なことだって思いついちゃう。
主人公たちの会話は、吹き出しとト書き(考え)と過去のセリフが入り混じって、たしかに分かりにくいけど、
これまた現実社会でも、核心部分はゴニョゴニョしたり、茶化しちゃったり、こそあど言葉が連発したり、しますよね〜。この漫画、わかりにくい、伝わりにくい。だから、一生懸命読み取ろうとしますよね。
……まさに、人間関係も、そういうものなんだと思いました。