嫌い、大嫌い、愛してる。
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嫌い、大嫌い、愛してる。

ARUKU

説得力のあるハピエン

ネタバレ
2018年12月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 脅してレ〇プから始まるBLは案外多いですけど、こんなに説得力のあるハッピーエンドになってる作品は初めて見ました。こんな胸糞なドクズ攻めとちゃんと幸せになる展開に持っていくとは…。とても単巻ものとは思えない情報量とまとめ方。
絵はかなり独特なんですがすごく世界観に合っていて良い。閉塞感のある昭和50年代の田舎の雰囲気とそれにくすぶる性悪な連中、それらに対比するように受けの純粋な美しさが際立ちます。その受けの攻めに対する愛憎相半ばする葛藤がほんとに泣けます。まさに“嫌い、大嫌い、愛してる”
ちょっと鼻につく文学的なモノローグもめちゃくちゃ良い。
(あと、個人的にはイエ〇ンのBURNがピッタリだなぁと、ひっそり勝手に主題歌にしてます笑)
それにしてもメリバ捉えてる方が思いのほか多くてビックリしました。もしあれが攻めの見てる(死後の?)夢だとしたら、リハビリで医者通いなんてセリフは出さないで元気な状態で受けを登場させると思うし、犬も子犬のまま成長させない気がします。ていうかラストの土壇場で子犬を登場させたのは、作者さんの「夢ではないよ」というメッセージのためなのでは?と思いました。
確かにもう少しラストを詳しく!とは思いますが少なくとも私にはハピエンです。いい作品を本当にありがとうございました。
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