すべてはこの夜に
」のレビュー

すべてはこの夜に

英田サキ/笠井あゆみ

武井に全部持っていかれた感じが…笑。

ネタバレ
2019年1月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 英田作品は代表作じゃないやつを何冊か読んだくらいでしたが、なるほどこの世界観か、と。正直ありがちというか、どこかで読んだことのあるエピソードだったり生い立ちだったりするんですが、それでも尚引き込まれるから凄い。最初にメインカップルのそこそこ長めの話があり、そのあと、語り手現在としては時系列に短編が続く、スピンオフ(過去)含めた一続きのお話でした。メインの湊×加持も無駄を削いだ展開で面白く、気持ちが通じた後の湊が加持に甘える言動に萌える。甘えん坊シーンのときは、笠井さんのイラストを確認し、また甘えん坊描写を読むというのをやるとかなり萌えます笑(挿絵を入れて欲しかった…)。ただ、主人公である加持の魅力が今一つで、感情移入しづらかったのが唯一残念。気持ちが通じ合う前後以降、急に、加持にはこういう良いところが、みたいなのを付加してきた感じがして、あ~そうだったんだとは思いましたが、それとわかる描写が最初から欲しかったかなと。せめて片鱗が。そして、武井×亮一は、泣かせたいのがわかっていながらも泣いてしまいました。筆者の思惑も結末もわかっていながら感情が持っていかれてしまう。上手い。読後は、くっつくまでの湊×加持ってどんな話だっけ?って霞むくらいに、武井たちに持ってかれてました(笑)ただ、志郎が一応ヤクザなのにいい子過ぎたり、事件解決の仕方とかご都合主義的な部分も多いので、リアリティを求める方には物足りないかもしれません。一途攻め好きな方にはとてもオススメな1冊です❗
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