このレビューはネタバレを含みます▼
読んでよかった。泣きました。評判どおりの素晴らしい作品です。
ラストシーン。夕陽の中を遠ざかる2人の乗ったバイク。道に落ちた麦わら帽は、捨て去りゆく故郷と幸福な青春時代の象徴のように思えます。そして右側上方へとはるかに続く道は、二人のしあわせな未来を示しているようにも。
けれど、80年代アメリカ、ダンサー崩れの男娼という設定に、このころ大きな社会現象となったある感染症のことが思い浮かんでしまうのです。
もしかしたら冒頭とエンディングのモノローグは、オズはすでにこの世になく、テオが病床で回想しているのではないか…なんて、深読みしすぎでしょうか。