悪の女王の軌跡
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悪の女王の軌跡

梶山ミカ/風見くのえ

男性キャラは魅力的なのに内容が惜しい作品

2019年2月23日
コミカライズしか読んでいませんが、最後まで読んでみてなんだか勿体ない作品だと感じました。
そうだったのか!と思うような真相が用意されていたものの、どこか盛り上がりに欠けていて、時間が経つと話を忘れて2回読んでしまいました。

ストーリーは、気付いたら急に異世界にいてしかも悪評の高い女王の体と入れ替わり、戦場から始まるという斬新なものでした。
その後中身が違うと気付いた、はとこのフレイに守ってもらいつつ好かれ、戦場で出会った腕のたつダリウスにも好かれ、敵だったはずのリオンとも早々に和解して好かれるというなんとも逆ハー好きには美味しい展開でした。
好かれるのが早過ぎないか?と思いつつも、ドキドキする場面が多く1巻目はとても楽しめました。

しかし2巻目はそういった展開は減り、他国に狙われたり女王の真実が明かされていったりと慌ただしい内容が詰まってはいたものの、描き方が下手なのか内容そのものが魅力に欠けるのか、読むのに飽きてしまいダラけたなと感じるような展開でした。

真相では、結局のところ女王は根本は良い子で、悪の女王にならざるを得なかった理由が語られるわけですが、なんだかなぁと思う部分もあり…。
それを聴いて驚きもせず、即受け入れる男性陣を見てぐっとくるよりは「お前らホントに茉莉が好きなの?」と逆に複雑な気持ちになりました。
好きだから受け入れてくれると言ったら聞こえはいいし素敵ですが、個人的には好きだからこそ悩んだりしてほしい。

結局、みんなが好きだったのは女王なの?茉莉なの?というモヤモヤした気持ちが残ってしまい、主人公に感情移入ができず楽しめませんでした。
作者の「みんなは茉莉が好きなんだよ」推しは強くて、じゃあそーゆーことなんだろうとは思いつつ、それに対して「なんで?」と思います。
真相が分かったからこそ、女王が好きだったキャラもいてもいいのでは?と…。
むしろどちらが好きか分からなくて苦しんでいたキャラが、どちらも好きだったのだと受け入れて終わる展開とかの方が納得できました。

それと、主人公とくっつくリオンがあまり活躍してるように見えませんでした。心の中でリオン助けて!と言った場面でも現れるのはダリウス(笑)
女王時代リオンが好きだったとしても、茉莉としてはダリウスとくっつけば良かったんじゃないかと思いました。その方が個人的に盛り上がったように思えます。
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