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小花美穂

昔は怖かったけど

ネタバレ
2019年3月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ たしか小学生の時に姉とりぼん・なかよしを購読しておりその時に掲載されていたと思います。ジャンヌやセイントテール、タカマガハラのような胸キュンしつつ現実から離れたファンタジーが好きだった当時の私にとって、この漫画の内容は幼いながら恐ろしくてあまり読むことはせずパラパラめくり飛ばしていた作品です。でも賢ちゃんがモエの腕を掴み腕が取れてしまうシーンはトラウマ的にずっと残っていて、今回また読んでみました。読んでまず思ったのは、これ本当にりぼんに載ってた作品なのか?ということです。全3巻ながらそのくらい内容は濃かった。死体なら実験に使っていいのか。死んだ人を蘇らせるのは許されるのか。意思と関係なく亡くなった人だとしても、意思と関係なく蘇らせるのは正しいのか。蘇らせる為なら遺体を切り刻むことは許されることなのか。そうやって蘇らせた人を生前と同じく愛せるのか。一度は迎えたはずの死をどう受け止めるのか。読み進めるほど博士や研究所の人には怒りが湧くし、愛する人の死に直面した後、明らかに人とは異なる様相と生きていた頃と変わらないような姿や表情を見せられる主人公たちには胸が苦しくなりました。選択肢を与えているようで与えていない巧妙なやり方で賢ちゃんが追い詰められ彼らの実験体にされてしまったのが本当に悲しい。生と死の在り方について考えてしまう作品でした。
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