このレビューはネタバレを含みます▼
主人公であるトモちゃん(表紙)のキャラが最高。思春期男子が社交性を身につけずに潔癖ドSリーマンに育ってしまっていて、その生きづらさや不器用さを(ウッ…カワイイ…)と愛でる漫画です。かわいすぎてつらい。動悸がとまらない。トモちゃんは有能だけどクソ根暗文系で、同僚リーマン(社交的な体育会系イケメン)への憧れがつのりすぎて「これは…恋……?」とピュアッピュアな恋心を抱いています。ニアBLだけれど、しかしながらトモちゃんはゲイっていうよりかは人間嫌い、性行為忌避から、女性から一番遠いところにいる男性へ「ぜったいに自分が害されない距離感」つまり「水槽」の距離感で切なく視線を向けているんだろうなぁ、と思うと、BLでもないんだよな。でも描写が切なくて、すべての臆病な大人に刺さると思う。第1話で、疲れ果てて帰宅している途中のトモちゃんの元に、通り魔系女子が宿無しなんで泊めてくれ!と押しかけてスタートするのだけれど、この女子が、トモちゃんの良さをこれでもか!とひき出してくれるので、読者として感謝しかない。一巻の終わりには、どんでん返し級の爆弾が待っているので、ぜひ立ち読みに終わらず買って読んで「つ…続きはどうなるのー!」と私と一緒に悶えてほしい。楽しい地獄へようこそ!